紅茶の茶葉について緑茶との違い|紅茶とは

紅茶の茶葉について緑茶との違い|紅茶とは

紅茶の茶葉について緑茶との違い|紅茶とは

紅茶には、ダージリン、ウバ、キーモン、キャンディ、アッサム、ヌワラエリアなど様々な種類の茶葉がありますが、これら全ての茶葉が日本茶 (緑茶)や烏龍茶の茶葉と同じツバキ科ツバキ属に属する常緑広葉低木の「チャノキ」の葉を摘み取って作られていることをご存知でしたか。

 

チャノキとは、熱帯から暖帯のアジア圏に広く分布している植物であり、詳しい原産地は不明となっておりますが、中国南西部にある雲南省メコン河の上流、チベット、ミャンマー、ラオス、ベトナムにかけての山岳地帯ではないかと推測されています。

 

チャノキといえば、1961年に中国雲南省西双版能 (シーサンパンナ)にある標高1,300mの巴達 (バーター)山のジャングルにて、地面から何本もの幹に分かれた高さ14.5m、太さ60cm、基部周囲2.9mの樹齢1700年を超えるチャノキが発見され、たいへん話題となりました。

 

このチャノキを調査した雲南省茶葉研究所によると、現在普及しているチャノキとは異なるが、それに最も近い近縁植物であること、そして、この種のチャノキは高さ20mを超す巨木になることが明らかにされました。

 

樹齢1700年を超えるチャノキを発見したのは、この地に古くから住んでいるハニ族であり、彼らの住む西双版能の景洪 (ジンホン)から北上した思茅 (スーマオ)地区は、古くから茶の産地として知られており、山にはキレイに整備された段々畑の茶園が広がっています。

 

西双版能には、ハニ族を含め、およそ25もの民族が暮らしており、茶摘みの時期を迎えると様々な民族が茶園へと集まり、みんなで仲良く茶摘みをしているそうです。

 

チャノキから摘み取られた茶葉たちは、その後、それぞれの工程を経て紅茶や緑茶、烏龍茶などへと姿を変えてゆきます。

 

ところで、なぜ紅茶も緑茶も烏龍茶も同じツバキ科ツバキ属に属するチャノキから摘み取られた茶葉を原材料としているのに、名称だけではなく、香りや味わいまで大きく異なるのかと気になったことはありませんか。

スポンサーリンク

紅茶と緑茶の原材料となる「チャノキ」の秘密

紅茶や緑茶、烏龍茶など「茶」と呼ばれている飲み物は、ツバキやサザンカなどと同じく、ツバキ科ツバキ属に属する植物「チャノキ」の新芽を摘み取って加工したものですが、それぞれのお茶に適した品種や栽培管理方法などが存在します。

 

チャノキの品種は大きく「アッサム種 (バラエティ・アッサミカ)」と「中国種 (バラエティ・シネンシス)」の2つに分けられます。

 

中国では、栽培されているチャノキの品種をさらに大葉種・中葉種・小葉種の3つに分けており、それぞれの品種を交配させることで、中国の各土地に適したチャノキの品種を植えてお茶の生産を行っています。

 

ちなみに、現在、日本国内で栽培されている緑茶の原材料となるチャノキの大半が中国種に分類される品種となっています。

 

アッサム種は、1823年にイギリスの冒険家・ブルースがインドのアッサム地方で発見した品種であり、中国種とは異なる品種のチャノキであることが明らかにされました。その後、1845年にイギリス人のフォーチュンによって紅茶と緑茶の違いは製法にあり、原材料による茶葉の違いではないことも判明したのです。

 

そして、この2つの新たな発見によって、2つの異なる種のチャノキを交配させて新たな種のチャノキを誕生させ、インドや中国と気候や風土が異なるスリランカやバングラディッシュなどでもチャノキの栽培が盛んに行われるようになって行ったのです。

ところで、この2つの異なるチャノキには、いったいどのような違いがあるのかと気になりませんか。
そこで、アッサム種と中国種のそれぞれの特徴をまとめてみましたのでご紹介します。

 

特徴 アッサム種 中国

・大きくて表面に凹凸があり、シワがある
・長くて葉先が尖っている
・柔らかくて厚みがある
・平均12cm×4cm以上
・未開葉は淡緑色が多い
・紅茶向き

・アッサム種よりも小さく、表面にツヤがある
・先端は丸く、楕円形や尖っているものなど様々
・薄くて硬い繊維質
・未開葉は赤みを帯びることがある
・平均9cm×3cm以下
・緑茶向き

・喬木型、直立。
・中には10mを越えるものも存在

・灌木型、地上ですぐに枝分かれする。
・2mから3mほどに成長する。

タンニン含有量 多め アッサム種よりも少ない
酸化酵素の活性 アッサム種よりも少ない アッサム種と比べると弱い
生育条件 寒さに弱い熱帯性、高温多湿を好む 寒さに弱い熱帯性、高温多湿を好む
主な栽培地 寒さに弱い熱帯性、高温多湿を好む 中国、日本、トルコ、南米、イランやスリランカの高地の寒冷地など
風味 香り高く、濃厚な味わい とてもデリケートな香りと味わい/td>
経済的寿命 およそ30年から40年

50年
※インドやスリランカでは80年から100年を超える古木も多い

 

紅茶の原材料となる茶葉についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

 

 

紅茶も緑茶も同じ茶葉から作られるお茶ではありますが、チャノキの品種や栽培地などによって、それぞれどのお茶に加工した良いのかが大きく異なります。

 

もちろん、緑茶向けのチャノキから摘み取られた茶葉でも紅茶を作ることが可能だそうですので、この機会に様々な品種のチャノキから作られた紅茶を嗜んでみてはいかがでしょうか。

 

スポンサーリンク

紅茶とは|紅茶の起源と伝説

2015年2月に再上陸を果たした“コーヒー界のapple”こと「ブルーボトルコーヒー」によって、現在日本国内で「サードウェーブコーヒーブーム」が巻き起こっておりますが、実はこのコーヒーブームの裏側で、じわじわと紅茶に力を注いでいるカフェや飲料メーカーが増えてきていることをご存知ですか。日本でも御馴染...

≫続きを読む

 

紅茶の歴史と起源|紅茶とは

現在、日本国内では、2015年2月に上陸を果たした「ブルーボトルコーヒー」によって、空前のサードウェーブコーヒーブームが巻き起こっているのですが、なんとこのコーヒーブームに負けじと、日本各地にあるカフェや国内外の飲料メーカーのあいだで紅茶の魅力をより多くの人々に伝えようと、本格的な紅茶を手軽に味わえ...

≫続きを読む

 

紅茶の茶葉について緑茶との違い|紅茶とは

紅茶には、ダージリン、ウバ、キーモン、キャンディ、アッサム、ヌワラエリアなど様々な種類の茶葉がありますが、これら全ての茶葉が日本茶 (緑茶)や烏龍茶の茶葉と同じツバキ科ツバキ属に属する常緑広葉低木の「チャノキ」の葉を摘み取って作られていることをご存知でしたか。チャノキとは、熱帯から暖帯のアジア圏に広...

≫続きを読む

 

紅茶と緑茶の違い|紅茶とは

紅茶も緑茶も同じチャノキから摘み取られた茶葉を原材料とするお茶なのに、なぜ香りや味わい、水色などがこうも大きく異なるのでしょうか。その理由は3つあります。

≫続きを読む

 

紅茶の製造オーソドックス製法|紅茶の作り方

世界で最も愛されている「紅茶」は、チャノキから摘み取られたばかりの葉は鮮やかな緑色をしているのに、なぜ茶葉として加工されてしまうと黒褐色をしているのかと気になったことはありませんか。紅茶の茶葉を製品として流通させるまでの工程のことを「製茶」と呼ぶのですが、紅茶の製茶方法には大きく分けて、・オーソドッ...

≫続きを読む

 

紅茶の製造CTC製法|紅茶の作り方

「紅茶は好きだけど、毎回紅茶を淹れる度にティーポットやストレーナー、キャディスプーンなどを用意したり片付けたりするのは大変」「本当は毎朝紅茶を淹れて飲みたいのだけれど、時間が無くて諦めている」という方も大勢いらっしゃるかと思います。そんなあなたにオススメなのが「CTC製法」で作られた紅茶です。CTC...

≫続きを読む

 

紅茶のグレード・等級|紅茶とは

紅茶にも、コーヒーや日本茶、お酒にお米などと同じく、「グレード」や「等級」などの区分が存在します。ただ、紅茶のグレードは、コーヒーや日本茶、お酒などとは大きく異なり、品質やクオリティなどを表すものではありません。紅茶のグレードとは、茶葉の大きさや形状を区分するための「単位」であるため、「茶葉が大きい...

≫続きを読む

 

紅茶の基本的な入れ方|紅茶の飲み方

「紅茶の入れ方に基本ってあるのかな?」「おいしい紅茶を入れたいけど、どんな道具を用意したらいいの?」など、これから紅茶の世界に飛び込もうとお考えの方にとって、おいしい紅茶の入れ方や入れる際に必要となる道具選びはとても重要な悩みとなっています。既に紅茶を入れる際に必要となる道具が揃っており、あとはおい...

≫続きを読む

 

紅茶と水の関係|おいしい紅茶の入れ方

紅茶は、日本茶 (緑茶)や烏龍茶などの茶類のなかで最も水の影響を受けやすい飲み物であるため、おいしい紅茶を淹れたいと思うあまり、水道水ではなく、ミネラルウォーターを使って淹れているという方も多いのではありませんか。実は紅茶をおいしく淹れるためには、ミネラルウォーターよりも私たちが普段使用している水道...

≫続きを読む

 

水の硬度による紅茶の違いとイギリスの紅茶事情

水の影響を受けやすいお茶として有名な「紅茶」ですが、実際にどのような違いがあるのかと気になっている方も多いのではありませんか。軟水の水で紅茶を淹れた場合、紅茶本来の香りや味わいがストレートに表現され、美しい水色とシャープな香りと味わいを楽しむことができます。特に日本の水道水はストレートティーを淹れる...

≫続きを読む

 

紅茶のおいしい入れ方|基本のストレートティー

「紅茶の入れ方に基本ってあるのかな?」「おいしい紅茶を入れたいけど、どんな道具を用意したらいいの?」など、これから紅茶の世界に飛び込もうとお考えの方にとって、おいしい紅茶の入れ方や入れる際に必要となる道具選びはとても重要な悩みとなっています。既に紅茶を入れる際に必要となる道具が揃っており、あとはおい...

≫続きを読む

 

ダージリンとは|紅茶の種類産地、特徴

世界三大紅茶のひとつに数えられている北インド原産の「ダージリン」は、紅茶愛好家でなくても1度は耳にしたことのあるとても有名な紅茶の名前です。紅茶に詳しい方ならばご存知かと思いますが、ダージリンには「ファーストフラッシュ」や「セカンドフラッシュ」など様々な種類があり、それぞれ香りや味わい、水色に大きな...

≫続きを読む

 

アッサムとは|紅茶の種類産地、特徴

紅茶本来の香りや味わい、水色を存分に楽しむことができるストレートティーも魅力的ですが、たまには濃厚な味わいが楽しめるミルクティーが飲みたいなと思ったりすることはありませんか。ですが、ダージリンのような芳醇な香りを持つ紅茶にミルクを入れてしまうと、せっかくの香りが台無しになってしまうため、入れたくても...

≫続きを読む

 

ニルギリとは|紅茶の種類産地、特徴

ダージリンやアッサムと並び、インドを代表する紅茶として知られる「ニルギリ」は、南インドにあるターミナルナドゥ州のケーララ付近の丘陵地で栽培されているチャノキの葉から作られています。同じインド国内で製造されているダージリンやアッサムは強烈な個性を持つ紅茶として有名ですが、ニルギリは主だった個性の無い紅...

≫続きを読む

 

ドアーズ・テライ・キッシムとは|インド紅茶の種類や特徴

世界最大の紅茶の産地として有名なインドでは、1年間におよそ98トンもの紅茶を生産しており、なんと紅茶の国内消費量も世界第1位と、紅茶をこよなく愛するイギリスよりもたくさん消費しています。そんなインドでは、世界三大紅茶のひとつ「ダージリン」や1823年にイギリス人のロバート・ブルース氏によって発見され...

≫続きを読む

 

ウバとは|紅茶の種類や特徴

インドのダージリン、中国のキームン、そしてスリランカのウバは、世界三大銘茶として紅茶愛好家たちのあいだではたいへん有名ですが、あまり紅茶に詳しくない方の場合、『ダージリンやキームンは飲んだことはあるけど、ウバは飲んだことが無い』という方が多く、どのような種類の紅茶なのかをご存知無い方も大勢おられます...

≫続きを読む

 

ヌワラエリア・ディンブラ・キャンディ・ルフナ・ウダプヤラワ|スリランカ紅茶

紅茶を少しかじったことのある方なら1度は耳にしたことのある「セイロン紅茶」。セイロン紅茶の「セイロン」とは、かつて「セイロン」という名の国であったインド半島の南東部に浮かぶ島「スリランカ」のことです。スリランカは、16世紀にポルトガルやオランダの進出を経て、1802年以来長きに渡りイギリス直轄の植民...

≫続きを読む

 

ケニア・マウライとは|アフリカ紅茶の種類や特徴

紅茶の産地といえば、世界三大銘茶の産地であるインド、スリランカ、中国が頭にパッと思い浮かぶ方も多いと思いますが、実は紅茶栽培に向いていなさそうなアフリカ大陸でも紅茶の栽培が行われていることをご存知ですか。アフリカ大陸で紅茶の生産が行われるようになったのは、1887年に南アフリカ連邦東部にあるナタール...

≫続きを読む

 

日本で生産されている和紅茶とは|紅茶の種類や特徴

「紅茶って渋くて苦いからどうしても苦手」「紅茶は好きだけど、好みの紅茶がなかなか見つからない」といった紅茶に関するお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。そんな悩めるあなたにお勧めしたいのが日本で生産されている「和紅茶」です。和紅茶とは、その名のとおり日本国内のお茶農家さんたちが生産している...

≫続きを読む

 

インドネシア・ネパールの紅茶|紅茶の種類や特徴

現在、全世界の紅茶生産量3/4以上を占めると言われる紅茶主要国のインド、スリランカ、中国、インドネシア、ケニアの5か国は、別名「5大紅茶生産国」と呼ばれており、紅茶に詳しくない方でも1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、現在紅茶を生産している国は、日本を含め実に20数ヶ国あり、それぞ...

≫続きを読む

 

紅茶を入れる際に最低限必要な道具とは|紅茶の入れ方

ティーポットやティーカップ、茶こしなど紅茶を入れる際に必要となる道具は、分かっているだけで10種類ほどあります。ですが、実際に紅茶を入れる際に必要となる道具を10種類全て買い揃えてみると、いくつかの道具は使わなくてもおいしく入れることができた意見も多く、使わなかった道具をどうしようかと困っている方も...

≫続きを読む

 

紅茶に必要な道具の名称と使い方|紅茶の入れ方

おいしい紅茶を入れるためには、ティーポットや茶こし、ストレーナーなど様々な道具を駆使して入れてゆきます。ですが、これから紅茶を始める方にとって、どの道具がどんな役割を果たしているのか、本当に必要な道具なのかどうかを判別するのはとても難しいことです。そこで、紅茶を入れる際に必要となる道具の名称とその使...

≫続きを読む

 

ダージリンの種類と特徴|紅茶の種類

ダージリンには、・ファーストフラッシュ・セカンドフラッシュ・モンスーンフラッシュ・オータムナルなど様々な種類があり、それぞれ香りや味わい、水色が大きく異なるため、気分に合わせて紅茶葉を選ぶことができるのが魅力となっています。

≫続きを読む

 

TOP PAGE ライター紹介 夏のお茶特集new! SITE MAP