インドネシア・ネパールの紅茶|紅茶の種類や特徴
現在、全世界の紅茶生産量3/4以上を占めると言われる紅茶主要国のインド、スリランカ、中国、インドネシア、ケニアの5か国は、別名「5大紅茶生産国」と呼ばれており、紅茶に詳しくない方でも1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、現在紅茶を生産している国は、日本を含め実に20数ヶ国あり、それぞれの国や地域によって、香りや味わい、水色が大きく異なります。
なかでも、インドネシア、ネパール、バングラディッシュ、トルコの4ヶ国は、ここ数年良質な紅茶の産地として、世界中の紅茶愛飲家たちから注目を集めており、日本でも紅茶専門店で見かけることが多くなりました。
そこで、今回はインドネシア、ネパール、バングラディッシュ、トルコで生産されている紅茶の種類や特徴などについてご紹介します。
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インドネシアで生産されている紅茶の特徴
太平洋西南部にある赤道下の島嶼群「インドネシア」は、スマトラ、ジャワ、ボルネオ (カリマンタン)、セレベス (スラウェシ)、チモールの諸島ならびにその近辺の島々17,000から成る国です。
多くの島々から成るインドネシアですが、茶栽培が行われているのはジャワ島とスマトラ島の2島のみであり、特にインドネシアの首都ジャカルタのあるジャワ島では、島西部にある四方を2000m級の山々に囲まれた丘陵地帯バンドン周辺を中心に積極的に茶栽培が行われています。
インドネシアで茶栽培が始まったのは、オランダ東インド会社がこの地で中国種のチャノキの栽培に成功した1826年からです。しかし、当時は茶産業として確立することが難しく、本格的な茶産業が始まったのは1890年代になってからです。
その後、第二次世界大戦や1949年の独立に伴う混乱期によって、インドネシアの茶畑が荒廃してしまったのですが、1958年に政府が茶農園の一部国有化を図ったことで1965年以降より、安定的にお茶の生産量が行えるようになり、現在に至ります。
インドネシア紅茶は、ジャワ島もソマリア島もほぼ1年を通して生産することが可能となっており、気候の変動が少ないため、季節的な品質差が少ないのが特徴となっています。
ジャワ島の紅茶は、透明感のある赤い水色をしており、弱い渋味と独特なスパイシーさを持つ香味が特徴的であり、反対にスマトラ島の紅茶は暗い赤色の水色と控えめな渋味に強いコクを持つ紅茶となっています。
全体的にマイルドなジャワ島の紅茶と比べると、スマトラ島の紅茶は濃厚なお味となっておりますので、飲み比べてみてはいかがでしょうか。
ネパールで生産されている紅茶の特徴
東西南をインド、北中国をチベット自治区と接する東西に細長い内陸国のネパールは、国土の中央部から北一帯に世界最高峰のエベレストを含むヒマラヤ山岳地帯と山麓があり、南側は東南に細長いタライ平原があります。
農作物の多くがこのタライ平原で生産されているのですが、紅茶の栽培のみ東側のヒマラヤ山麓地帯で行われています。
ネパールが紅茶の産地となったのは、イギリス東インド会社の支援によってインドのダージリン地方からチャノキが持ち込まれた1863年頃だと言われています。
しかし、政治的、経済的な混乱によってネパールの茶産業は軌道に乗ることができず、いつの間にか終了してしまったのですが、1959年にタライ平原の東端で再び茶栽培が開始され、1966年にはネパール茶開発会社が発足したことで、インドのダージリン地方に酷似したイラムの茶園で摘採された茶葉をダージリンの製茶工場へと販売するようになったのです。
そして、1978年にはイラムに待望の製茶工場が誕生したことで、ネパール独自の紅茶が生まれたのです。
ネパールの紅茶は地理的にダージリン地方で生産されている紅茶と近く、気候や風土も酷似していることから子香りや味わいは非常にダージリンに近いと言われています。
特に山岳地帯で3月から4月にかけて最初に芽吹いた茶葉を摘採して作られるファーストフラッシュは、より一層淡く美しい水色と優雅な花香が楽しめる紅茶となるため、たいへん人気があります。
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