茶道に必要な道具と名称|茶道の作法

茶道に必要な道具と名称|茶道の作法

茶道に必要な道具と名称|茶道の作法

これから茶道を学ぼうとお考えの方や自宅でお抹茶を点ててみたいという方も多いと思いますが、茶道を始めるにあたり、どのような道具が必要になるのか、どのような用途なのかなどを事前に知っておくことは初心者にとって、とても大切なことです。

 

そこで、今回は茶道に必要な道具とそれぞれの名称・用途をご説明します。

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茶道のお稽古で必要な道具の名称と用途

これから茶道を始めようとお考えの方は、お稽古で必要な道具を揃える必要があります。

 

茶の湯の教室に問い合わせると必要な道具の名称などを教えてくれると思いますが、事前にそれぞれの道具がどのような用途で使用されるのかを知っておくと、スムーズにお稽古に取り組むことができるようになるため、事前準備はとても大切です。

 

では、茶道のお稽古で必要となる道具の名称と用途をご紹介します。

 

お稽古に必要な道具リスト
  • 袱紗
  • 茶巾
  • 懐紙
  • 扇子
  • 菓子切
  • 袱紗はさみ
  • 数奇屋袋
  • 袱紗

 

茶道具をぬぐい清める際に使用する30cm四方の布のことを「袱紗」と言います。
袱紗は三方のみ縫われており、一辺だけ縫い目の無い「わき」があります。

 

お点前の際は、対角線から三角形に折り、さらにそれを半分に折って帯に挟み込んで付けておきます。
布地は「塩瀬」と呼ばれる絹織物が使用されており、色彩や柄などは流派によって異なります。

 

  • 茶巾

濡れた茶碗を拭く際に使用する白い麻布のことを「茶巾」と言います。
30cm×15cmほどの長方形をしており、水を含ませて使用するものになります。
流派によって若干異なりますが、一般的には5cm角ほどに折りたたみ、お点前の前に茶碗に仕組み、その上に茶筅を置きます。
また、水注ぎやかんの蓋上にも、同様に折りたたんだ茶巾を置き、水を水差しに注ぎ入れる際に垂れた水を拭うよう、注ぎ口に当てがって使用します。

  • 懐紙

主菓子や干菓子などのお菓子をいただく際や茶碗の飲み口を拭う際などに使用する和紙を「懐紙」と言います。
懐紙は男女によってサイズが異なり、男性用は17.5cm×20.6cmほど、女性用は14.5cm×17.5cmほどの大きさとなっています。
懐石料理をいただいた際、最後にお皿や椀を清めるために使用しますので、たくさん持って行くのがオススメです。
茶席では、束ねたものを2つ折りにして懐に入れ、携帯するのが基本となります。
懐紙には様々なデザインや色彩のものがありますが、正式なものは白一色だと言われています。
ですが、様々な意匠が入ったものを使用しても非常識には当たりませんので、その年の干支や歌題、動物や草花などが描かれた懐紙を普段から持ち歩いてみてはいかがでしょうか。

 

  • 扇子

扇子といえば、暑いときに風を起こすために扇いで使用するのが一般的ですが、茶道で使用する扇子は少々用途が異なります。
茶道では扇子は扇ぐためのものではなく、挨拶や掛物を拝見する際に閉じた状態で膝前に置き、「結界」を示すためにお客人のみが使用します。
骨が白竹のものと塗りのものがありますが、流派によってデザインやサイズが異なりますので、事前に流派を確認しておくことをオススメします。

 

  • 菓子切

主菓子を切って食べる際に使用する道具を「菓子切」と言います。
菓子切の素材は、鞘に入れて保管することが出来るステンレス製のものが良いでしょう。
お菓子をいただく際に使いやすいように、懐紙のあいだに挟んで持ち歩くのがマナーとなっています。

 

  • 袱紗はさみ

懐紙や袱紗、扇子を入れるための布製入れ物です。
和装の場合は懐紙と袱紗は懐中することができますが、洋装の場合は袱紗はさみに必要な道具を入れて携帯するのが作法となりますので、どちらの服装でも茶会に参加できるよう、事前に用意しておくことをオススメします。

 

  • 数奇屋袋

茶席に持ってはいる布製かばんです。
袱紗はさみ・貴重品・ハンカチなどを入れるためのかばんであり、和装の倍は帯の太鼓部分に入れると両手が開くのでとっても便利です。
様々なデザインのものが販売されておりますし、お裁縫が得意な方は自作されてみてはいかがでしょうか。

お点前で必要となる道具の名称と用途

茶道のお稽古を始めたばかりの頃は、建水や風炉先、香合など言われても、どの道具を表しているのかさっぱり分からなかったという方も多いのではないでしょうか。
そこで、お稽古に行く前にお点前で必要となる道具の名称と用途を事前に予習しておき、当日おろおろしないように知識を身に付けておくことをオススメします。
では、さっそくお点前で必要となる道具の名称と用途をご説明します。

お点前で必要となる道具リスト
  • 掛軸
  • 花入
  • 香合
  • 風炉先
  • 水差
  • 茶杓
  • 茶碗
  • 茶入
  • 棗 (なつめ)
  • 建水
  • 蓋置
  • 掛軸

 

茶席で最も大切な道具である「掛軸」は、一般的に紙や裂で表装して掛けるように仕立てられたものを言いますが、書蹟や絵画、両者が一緒に描かれた画賛 (がさん)に分けられます。

 

特に禅僧や宗匠によって書かれた禅語「墨蹟」は珍重されています。

 

本席では、書を掛けてその日の茶席のテーマを表し、待合には季節を感じさせる絵画や今回の茶会のテーマとなる道具やそれを暗示するものなどが掛けられます。

 

  • 花入

花を入れて床に飾る花器を「花入」と言います。
仏前を荘厳する5つの法器でもあり、一対の花瓶と一対の燭台、そして香炉を「五具足」と呼びます。
日本では花を生けて荘ざることは仏前荘厳が始まりとされており、茶席に生きた四季折々の花を生けることは利休の「花は野にあるように」の教えに沿ったものだと言われています。

 

  • 香合

墨手前の際に使用される「香合」は、香を入れる蓋付きの器のことです。
香合は床の間に飾られ、風炉用・炉用・両用の3種類あります。
風炉の季節である5月から10月は漆物など木材で作られた香合、炉の季節である11月から4月は焼物で作られた香合を使用します。

 

  • 風炉先

風炉の時期になると広間で使用される、背の低い二つ折りの屏風のことを「風炉先」と言います。
正式名称は「風炉先屏風」と言い、小間の席や壁を塗り回した席、風炉先窓が付設された茶室では使用しません。
点前道具を引き立たせるために道具畳の正面と横に沿って、風炉の背後に設置します。

 

茶会を催すことを「釜を懸ける」と言い、社寺の境内などで「在釜 (ざいふ)」とあれば茶会が開かれると言われています。
茶道では、釜は茶事や茶席のシンボルとして扱われている道具であり、とても重要な存在となっています。
釜には、丸・角・筒・肩衝など様々なかたちがあり、全体のかたちや釜肌に描かれた文様や口作りなどの意匠が見どころとなっています。

 

点前の際に道具類を置き付ける「棚」には、大振りの“台子 (だいず)”、襖のついた“紹?棚”、小ぶりの“丸卓”など様々な種類があります。
点前は台子に準ずると言われるほど大切なものであり、流派や家元の好みなどで使用される棚は大きく異なります。
また、棚の種類によって置き付ける道具や点前が変化するため、初心者の方はその変化に少し戸惑うかもしれませんね。

 

  • 水差

手前の際に釜に水を注ぎ足すときや茶筅や茶碗を清めるときなどに使用される「水差」は、別名「水器」とも呼ばれています。
元々は皆具の1つだったのですが、日常雑器から取り上げられた、もしくは、個別に使用されるようになったなど様々な説があります。
水差に使用されるものは焼物が多いのですが、釣瓶や手桶型の木製のものや金属製のものも人気があります。

 

  • 茶杓

茶入や薄茶器から抹茶をすくって茶碗に入れるための道具「茶杓」は、「茶匙」や「杓」などとも呼ばれています。むかしは鼈甲で出来たものや金属製のものなど様々な種類があったのですが、現在は木製のものが好まれて使用されています。
先端部分の櫂先の形状や折り曲げ方、樋の通り方などが見どころとなっている竹製は人気があります。

 

  • 茶碗

お抹茶をいただくための道具「茶碗」は、利休百首“茶の湯とはただ湯をわかし、茶を点てて飲むばかりなることと知るべし”にもあるとおり、亭主が点てた、もしくは、練った一碗の茶を客がいただくということに尽きますが、香を?き、床を書画や花で荘り、炭を熾して火相を整えるのも、全ては御客人にたった一碗の茶を供するための心配りなのです。
そんな主人の想いを容れる器は、茶道の数ある道具のなかで、最も重要視されるものと言っても過言ではありません。
お抹茶をいただいた後は、手に取ってゆっくりと茶碗を拝見しましょう。

 

  • 茶入

濃茶を詰めて置くためのつぼ状の焼物を「茶入」と言います。
茶入といえば、織田信長や豊臣秀吉の時代に武将への褒賞として与えられ、一国と同等の価値があると言われていました。現在でも非常に重きが置かれている道具のひとつとされています。
茶席では、仕覆と共に拝見に出されますので、この機会にじっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか。

 

  • 棗 (なつめ)

薄茶を詰めて置く漆物を「棗 (なつめ)」と言います。
胴回りと高さが同じ長さの利休型が基本形とされており、平たいかたちのものを「平棗」、球体のものを「丸棗」などと呼びます。
茶席を華やかにさせる道具のひとつであり、圓能斎好の十二ケ月棗や井伊宗観が好んだ十二ケ月の月次棗といった連作が多いのも棗の特徴であり、魅力となっています。

 

  • 建水と蓋置

本来、建水と蓋置は台子皆具のひとつであり、材質も全く同じ唐銅 (からがね)が使用されていました。
建水とは、点前中に茶碗をすすいだお湯や水をあけるための器であり、「水こぼし」や「こぼし」などと呼ばれています。
一方、蓋置は釜の蓋を置いたり柄杓を引いたりする際に用いられる道具であり、釜を用いる手前には欠かせない道具となっています。

今回は茶道に必要な道具とそれぞれの名称・用途についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

 

これから茶道のお稽古を始めようとお考えの方は、最低でも「袱紗・懐紙・菓子楊枝・扇子・古帛紗 (ごぶくさ)・茶巾入れ・袱紗挟み」を購入しておけば、問題ありません。

 

独学でお抹茶を始めるという方は、茶筅のみ購入しましょう。

 

「茶碗はいらないの?」と思われるかもしれませんが、茶碗はカフェオレボールや底の深い飯茶碗などで代用することが出来ますので、上質な抹茶と茶筅のみ購入するのがオススメです。

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