抹茶の効果効能

薄茶と濃茶の違いと飲み方|抹茶の基本

薄茶と濃茶の違いと飲み方|抹茶の基本

抹茶といえば、ほろ苦さと渋みのなかにほんのりとした優しい甘さを感じることができる大人のお茶というイメージがありますが、抹茶には「濃茶」と「薄茶」の2種類あり、点て方 (練り方)によって、香りも味わいも大きく異なるため、それぞれで全く違った抹茶の魅力を愉しむことができます。

 

そこで、今回は「薄茶」と「濃茶」、それぞれの違いについてご紹介します。

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薄茶とは?

茶道では「お薄 (おうす)」などと呼ばれている薄茶は、濃茶とは異なりカジュアルに楽しめるお点前として、老若男女問わず人気を集めているお抹茶です。

 

なぜ、薄茶は濃茶よりもカジュアルに楽しめるのかと言いますと、茶の湯が庶民のあいだでじわじわと浸透してゆくにつれ、より多くの人々に茶の湯の知ってもらおうと、手頃な価格で飲みやすい薄茶用抹茶を販売したところ、「おいしい!」と評判になり、いつしか庶民たちのあいだで薄茶が愛飲されるようになり、あっという間に茶の湯が一般に定着するようになったのです。

 

厳格で静粛な雰囲気を漂わせる濃茶とは異なり、高尚な談話を交えながら物柔らかな雰囲気のなかで嗜む薄茶は、1人のお客さんに対して一碗ずつお茶が点てられ、薄茶を頂いた後は、茶?を亭主へすぐに戻さず、ゆっくりと茶?を拝見するのも楽しみのひとつとなっています。

 

さて、誰でも気軽に楽しめる薄茶ですが、南坊宗啓著の茶道書「南方録」や山上宗二著の茶道具秘伝書「山上宗二記 (やまのうえのそうじき)」には、“千利休は侘び茶における真の茶は薄茶を点てることである”としたことが綴られています。

濃茶とは?

薄茶と対を成す存在である濃茶は、「お濃 (おこい)」や「お濃茶 (おこいちゃ)」など親しみを込めて呼ばれており、薄茶よりも格式高いものとされています。

 

 

濃茶はお茶事の主要となるものです。

 

 

そのため、招いて頂いたご主人のお点前をじっくりと拝見し、茶の湯の計り知れない奥深さを味わうのが魅力のひとつとされています。

 

濃茶を飲用されたことのある方ならばお分かりかと思いますが、濃茶は薄茶とは異なり、飲用後、くちにベッタリとお茶が付くため、驚いて厳粛な雰囲気を壊してしまったという方も大勢いらっしゃいます。

 

濃茶は、苦みや渋みの強い下級品を一切使用せず、質の良いエレガントな香りとおだやかさを持った高品質な抹茶を使用しているため、葛湯を思わせる濃さとなっています。

 

そのため、茶道でも初めはカジュアルに楽しめる薄茶のお点前からお稽古を始め、慣れてきたら濃茶のお点前へと移行するようになっており、濃茶はお抹茶上級者向けのお茶となっています。

 

濃茶は薄茶とは違い、茶の湯が日本へ伝来した当時から存在する緑茶です。

 

伝わった当初は薬として用いられ、たいへん稀少価値の高いものだったため、値段も高く、僧侶や武士など身分の高い者しか手に入れることはできなかったそうです。

 

薄茶はお客さん1人に対し、一碗ずつ点ててくれるのですが、濃茶の場合、お客さんの人数分の抹茶を練り、主客から順に飲み回す「吸い茶」が基本となります。

 

吸い茶を確立させた千利休は、1つの茶?で共有することが重要であるとしており、精神を共有することで“和”や“結束”を図り、誓いを立てて思いを新たにする表明という意味が込められています。

 

千利休の高弟・山上宗二著「山上宗二記」には“一期に一度の会”とあり、濃茶には生涯にただ一度まみえた場を共に分かち合いましょうという想いが込められており、茶道の世界では大切なおもてなしのひとつとなっています。

薄茶と濃茶は違う緑茶なの?

少量の抹茶で点てられるサラサラとした薄茶とたっぷりの抹茶で練られるドロッとした濃茶は、どちらも同じ碾茶から作られているパウダー状の茶葉です。

 

ですが、お作法や点て方、香りや味わいなどが大きく異なるため、全く違う緑茶に見えますよね。

 

薄茶用抹茶も濃茶用抹茶も同じ碾茶を原材料とする緑茶ですので、製法や含有されている栄養成分などには違いはありません。
ですが、薄茶に比べると濃茶の方が香味の良し悪しがはっきり現れるため、使用される茶葉は苦みや渋みの強い下級品を使うのは御法度とされています。

 

そのため、濃茶の方が薄茶よりも甘みがあり、抹茶本来の旨味を存分に堪能することができるため、抹茶愛好家の方々にとっては至高の一服と呼ばれています。

 

 

今回は薄茶、濃茶の違いとそれぞれの飲み方の違いについてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

 

薄茶は一般開放されているお茶会や自宅でまったりティータイム過ごすなどカジュアルなシーンで楽しめる緑茶となっており、お茶のお稽古をされていない方は濃茶に触れる機会はほとんどありません。

 

ですが、どちらのお茶も同じ碾茶を原材料とする緑茶ですので、含有されている栄養成分に違いはありませんので、あなたのお好みの抹茶を心ゆくまでご堪能くださいませ。

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