ジャスミン茶の歴史｜ジャスミン茶の効果効能

中国茶の歴史とジャスミン茶の誕生秘話

中国では六大茶と呼ばれる緑茶・黄茶・白茶・紅茶・黒茶・青茶に加え、新たに花茶と呼ばれる花の香りを緑茶や白茶などに付加させたフレーバーティーが追加され、現在では中国七大茶として人気を集めています。その中でもモクセイ科のソケイ属に属するジャスミンの花弁を用いて作られるジャスミン茶は世界各国で人気があり、今では知らない人はいないと言われるほどメジャーな中国茶となっています。

そんなジャスミン茶ですが、皆さんはジャスミン茶が誕生した物語をご存知ですか？
今回は意外と知られていないジャスミン茶の誕生秘話と中国茶の歴史についてご紹介したいと思います。

今ではメジャーな飲料として世界各国で飲用されているお茶は中国が発祥と言われています。お茶がいつ頃誕生したのか定かではありませんが、唐の時代に陸羽によって760年頃に記された茶書「茶経」には紀元前数百年まで遡りお茶の歴史が記録されています。
元々漢の時代にお茶としてではなく薬として用いられていました。それが後漢の末に誕生した魏・呉・蜀の三国が対立しあう三国時代になるとお茶は薬としてではなく飲料として用いられるようになったのです。265年に誕生した晋の時代からお茶の産地が中国の南西部から各地へと広まり、元帝時代には中国最大の農業地帯である安徽(あんき)省で初の貢茶が行われ、上流階級の間でお酒や食べ物などと並び嗜好品として好まれていました。

隋の時代になると今まで上流階級の人々の嗜好品として利用されていたお茶が一般市民でも嗜めるようになり、より多くの人々にお茶が飲用されるようになったのです。
茶経が記された唐の時代に入ると、お茶に使用される茶葉は中国全土で栽培されるようになっており、お茶を飲むという習慣が確立されたと同時にお茶を加工し飲みやすいように加工する製法を確立して行きます。この頃日本から派遣されていた行基の手によって中国から日本へと茶樹が運ばれたと言われています。

1368年明の時代に入ると百片の茶葉と馬を交換する「茶馬貿易」が行われるようになり、さらに中国江西省北東部にある景徳鎮(けいとくちん)に窯が誕生したことによって、お茶に関するこだわりが強まり、1600年頃になると中国からヨーロッパ地方へとお茶が運ばれイギリスを中心にお茶が広まることとなったのです。これが中国茶の歴史です。では、ジャスミン茶が誕生したのはいつ頃なのでしょうか？

ジャスミン茶の誕生

中国茶の歴史は古いですが、ジャスミン茶などの花茶の歴史は今から200年ほど前と言われています。中国でお茶が皇帝に献上されるようになり、お茶の生産地であった中国南部から皇帝の住む北京まで運ぶ際に茶葉が傷んでしまい、茶葉のふくよかな香りが失せてしまうため、それをごまかすため茶葉に香り高いジャスミンの花を付加させて茶葉の品質低下をごまかしたのが花茶であるジャスミン茶の起源とされています。
ジャスミンの香りで茶葉の品質低下をごまかしたというのは落胆させる事実ですが、この機転によってお茶文化が広まったことも事実です。
近年の研究によって、ジャスミンの香りが茶葉に良い影響を与え、より深みのあるお茶を淹れることが出来ることが判明しました。現在では茶葉の品質低下をごまかすためにジャスミン茶を製造しているということはありませんのでご安心ください。

中国茶の歴史とジャスミン茶の誕生秘話をご紹介しましたが、茶葉の品質低下をごまかすために誕生したというのは驚きですね！
ジャスミン茶が誕生した当時は夏の暑さを避けるための香花として愛されるようになり、さらに宋の時代の宮廷内ではジャスミンをたくさん植え、皇帝の暑さ対策に用いられていました。さらにジャスミン茶の爽快感を感じさせる味わいは不老長寿の妙薬として多くの人々から飲用されるようになったのです。

人々の知恵から誕生したジャスミン茶は今でも変わらず多くの人々から愛されるフレーバーティーとして絶大な人気を誇っています。今年の夏はジャスミン茶を飲んで暑い夏を乗り切りませんか？

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