マテ茶の歴史|マテ茶の効能

パラグアイやアルゼンチン、ブラジルなどの南米では、古くからマテ茶が飲まれてきました。そして、マテの樹には、日本昔話のような物語や逸話などがあります。今回は、マテ茶の知られざる歴史や物語などをご紹介していきたいと思います。

マテ茶の歴史は古く、インカより昔から原住民のインディオたちが飲んだのが始まりと言われています。その後、スペインやポルトガルなどからやってきた開拓目的の移民者たちにマテ茶が広まり、そして徐々に欧米人たちにもマテ茶が飲まれるようになっていったのです。マテの葉から作られたお茶には、緩やかな刺激と利尿作用があることが発見され、以来薬用としても使用されるようになっていきました。
１６世紀頃には、キリスト教を伝えるために南米へ宣教師がやってきて、今までマテの樹は自生しているものから茶葉を作り出し、薬用や飲用として用いていたのですが、彼によってマテの人工栽培が行われるようになり、そして一部の地域ではマテの樹による商業化が進み、大きく発展を遂げたのです。そして、古来より愛し、親しまれてきたマテ茶は、エネルギー補給の飲料から嗜み好まれる飲料となったのです。
マテの逸話として、１６世紀に開拓としてやってきたスペイン人に追われる身となったインカ帝国の兵士たちはマテ茶を噛みながら、１年以上も荒れた地に潜み、生存していたという話しがあります。
第二次世界大戦の際には、米軍の野戦病院では携帯食料の中にマテ茶が入っていたと言います。南米では、古来良よりマテ茶は不老長寿の薬として扱われており、広い草原の中、牛の群れを追いかけて生活していたガウチョと呼ばれる人々は、栄養不足を補うためにマテ茶を常用していたそうです。

また、マテ茶の原料のマテの樹には、いくつか伝説があり、アルゼンチンの北東部にあるミスヨネスでは、神様がイェルバ・マテを植えたという云い伝えがあります。
ほかにも、スペインの宣教師が南米の土地へやってきた際、ある地方に毒を持ったマテの葉があったそうです。これを聖徒・トーマスの手で火にかけ、焙ったらマテの葉から毒が消え、インディアンたちから感謝され、聖徒・トーマスはマテ茶の聖徒として崇められたというお話しがあります。

また、立派な老人がKaraiという首長の家のドアをノックし、「１晩だけ泊めてくれないか？」と頼んだそうです。Karaiには娘がおり、Karaiの娘は、この老人を一生懸命おもてなししたそうです。翌日、老人は神の使者であることを明かし、Karaiに向かって「あなたの美しい娘さんは、親切に私の世話をしてくれたので、何かお礼をさせてほしい」と言い、Karaiの娘をマテの樹へと変身させてしまったのです。そして老人は「これで娘さんは悪魔に会うことはなくなり、死ぬことなく不滅である。」と言い残し、去ってしまいました。
それ以来、このマテの樹はKaaと呼ばれるようになり、この樹を切ったり、倒したりしても必ず同じ場所から蘇り、強い生命力でどんどん成長していき、何年経っても若々しく、青々と葉を茂らせているそうです。

マテ茶は歴史が移り変わり、時代が変わろうとも、南米の人々から愛され親しまれているということに変わりはありません。これからも、マテ茶は南米の方々をはじめ、世界各国で愛飲されていくことでしょう。

スポンサーリンク