緑茶の種類|緑茶の効果効能
1191年に栄西の手によって中国から日本へ伝来した緑茶や紅茶などの原材料となるチャノキの種は、筑前(現在の福岡県北西部)にある背振山に初めて播種(はしゅ)されたと言われています。
その後、1207年に栄西からチャノキの種子を送られた明恵上人は京都府の栂尾山・高山寺で栽培が行われるようになり、1241年には駿河の国の僧弁円が中国からチャノキの種子を持ち帰り、現在の静岡県の足久保で栽培を始めたと言われています。
そして、チャノキは徐々に日本各地へと広まり、現在では北は新潟県、南は鹿児島県までの各地で生産されており、その土地の風土によって異なる香りや味わいを持つ緑茶が次々に生産されてゆきます。
ところで、緑茶といえば、燦々と降り注ぐ太陽の光をたっぷり浴びた茶葉を摘み取り、緑茶特有の無発酵製法を用いて製造されているイメージがありますが、中には新芽が出始めたら日光を遮断して茶葉を育成させるものや緑茶の茶葉を焙煎して麦茶のような味わいを持つものなど様々な緑茶が販売されています。
そこで、今回は数ある緑茶の種類をピックアップして幾つかご紹介したいと思います。
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緑茶の豊富な種類とその特徴について
日本で生産されている緑茶の種類
日本では、煎茶・玉露・抹茶・深蒸し煎茶・番茶・ほうじ茶・釜炒り茶・玄米茶などといった様々な種類の緑茶が製造されています。
そこで今回は皆様がご存知の緑茶とあまり知られていないマイナーな緑茶をご紹介したいと思います。
煎茶
日本で生産されている緑茶で最も生産量の多い煎茶は、栽培地域の風土や淹れ方などによって味わいが変化することで知られています。
一般的な煎茶は、透明感のある黄金色をした水色をしており、清々しい香りと渋みの中にほんのりとした甘みを感じられる緑茶となっています。
煎茶は日本独特の深い味わいを持つ緑茶として今でも愛飲されており、たいへん人気の高い緑茶です。
玉露
玉露といえば福岡県南部にある星野村が名産地として知られており、国内の玉露生産のおよそ半数を占めています。
玉露は鮮明なグリーンの水色をしており、高級玉露と呼ばれるものになると抹茶のような艶やかで深い緑色の水色となります。
とろんとした口当たりを持つ玉露は小さな茶碗でゆっくり味わうのがこの緑茶の嗜み方となっており、口内いっぱいに広がる甘みと独特な舌触りで多くの人々を魅了してきました。
中でも「草枕」の執筆者である小説家・夏目漱石は同書内に玉露に関する記述をしており、他の緑茶との違いを表現しています。玉露は味だけではなく香りも素晴らしく、「覆い香」と呼ばれる素晴らしい緑茶の香りはまさに至極の逸品です。
抹茶
京都府は抹茶の生産量日本一を誇る抹茶大国です。京都府の抹茶といえば「宇治抹茶」が有名ですよね。
日本独自の茶文化の発起役として知られる抹茶は上品かつ格式高い緑茶というイメージがありますが、実際は他の緑茶同様、誰でも簡単に淹れることが出来る日本茶の1つです。
抹茶の水色は抹茶色という独特な色彩となっており、きめ細かい泡と鮮やかなグリーンが印象的な緑茶です。
抹茶の原材料は「碾茶」と呼ばれる茶葉です。碾茶は玉露と同様の栽培方法で育成されており、摘み取られた茶葉を蒸して、揉まずに乾燥させ、さらに石臼を用いて粉々に粉砕したものを抹茶と呼びます。
抹茶の素晴らしいところは、他の緑茶とは違い、茶葉を直接摂取することが出来るため、茶葉に含まれる栄養成分を丸ごと体内に摂取することが出来ます。
抹茶は濃度の高い「濃茶」と濃度の低い「薄茶」の2種類あり、私たちが一般的に飲用している抹茶は「薄茶」になります。
抹茶は緑茶の持つ甘みや旨味を最大限引き出されており、和菓子との相性も抜群です。
深蒸し煎茶
深蒸し煎茶は昭和30年頃に静岡県中部で誕生した比較的新しい緑茶です。
深蒸し煎茶は、濃い深緑色の水色をしており、中にふわふわと粉状の茶葉が浮遊しているのが特徴です。この浮遊する粉状の茶葉が実は深蒸し煎茶の穏やかなコクや旨味成分となっており、さらに優れた栄養成分もたっぷり含まれているのです。
また、深蒸し煎茶の魅力は何と言っても抽出時間の短さです。しかし、短いが故に美味しく淹れるためにはコツが必要となっており、何度も淹れてお好みの抽出時間を算出する必要があります。
番茶
番茶とは、遅く摘み取られた茶葉「遅茶」が語源となっています。
一番茶として知られる煎茶の次に摘み取られた茶葉、いわゆる二番茶以降のことを番茶と呼び、上級煎茶と下級煎茶として区別されることもあります。
しかし、中には一番茶から製造される「川柳」という番茶などもあり、これらの番茶は煎茶として加工するには少々大き過ぎる茶葉から製造された番茶であるため、やはり煎茶になりきれなかった茶葉の行きつく先となっています。しかしながら、一番茶の番茶はかなりの稀少性を持っているため、たいへん人気の高い緑茶となっています。
番茶の水色は淡い黄色となっており、煎茶の次にポピュラーな緑茶となっています。
ほうじ茶
ほうじ茶の生産地は、煎茶や番茶の生産地と同じです。
その理由は煎茶や番茶などの茶葉を200度近い高温で焙煎し、急速に冷却して製造されるからです。
ほうじ茶の特徴は、艶やかで透き通るような透明感のあるセピア色の水色をしており、麦茶のような香ばしい香りとさっぱりとした味わいを持つ緑茶です。
1度高温で熱しているため、タンニンやカフェインの含有量が極めて低く、老若男女問わず安心して飲用することが可能です。さらに、ほうじ茶の香りにはリラックス効果があるので、ホッと一息つきたい場合にオススメです。
釜炒り茶
お茶の本場中国で行われている製法を用いて製造されている釜炒り茶は、佐賀県南西部の嬉野地方を中心に製造されています。
日本では摘み取られた茶葉を蒸し器に入れて発酵を止めるのですが、中国では摘み取った直後に釜炒りして発行を止めます。
釜炒り茶は蒸した緑茶よりも香り高く、渋みや苦みが出にくいのでさっぱりとした爽やかな喉越しと清々しい味わいを持つ緑茶となります。
釜炒り茶の水色は私たちが普段飲用している緑茶とは違い、淡泊で美しい黄金色をしています。
玄米茶
玄米茶は他の緑茶とは一風変わっており、昭和の初めに京都府で誕生した比較的新しい緑茶です。
玄米茶は、煎茶や番茶の茶葉に玄米や粳米、糯米などを1:1の割合で加えた緑茶で、ある茶商の方が、お正月に用意する鏡餅を割った際に出てくる細かな餅をどうにか出来ないものかと考えた末に誕生したのが、玄米茶です。
玄米茶の水色は使用される茶葉によって異なりますが、一般的な水色は、温かみのあるほんのりと淡い黄色をしています。また、玄米茶は海外では和風のフレーバーティーとして親しまれており、紅茶などと共に飲用されています。
他にも、かぶせ茶や芽茶、京番茶、茎茶、粉茶などがありますので、是非興味を持たれた方は1度飲んでみてはいかがでしょうか。
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