プーアル茶台湾の歴史｜プーアル茶の効果効能

ダイエットティーとして一時期ブームとなった中国六大茶の1つ「プーアル茶」ですが、その歴史は古く、25年から220年にかけて中国を統治していた王朝・後漢(東漢)の時代まで遡ります。

プーアル茶が初めて歴史書に登場するのは唐の時代であり、当時は南詔の銀生城(現在のプーアル市)周辺の山々で採れるお茶として有名でした。
そのため、プーアル茶という名前は現在のプーアル市発祥のお茶ということで「プーアル茶」と命名されたのです。

ですが、プーアル茶の発祥地であるプーアル市は、中国南西部にある雲南省にあり、ミャンマー・ラオス・ベトナムと国境を接する場所であり、現在でも20余の少数民族が住んでいます。
雲南省が中国の一部となったのは、明の時代からであり、それまではモンゴル民族やタイ系の民族など数多くの民族の方々が暮らす小さな国でした。
そのため、プーアル茶は雲南省だけではなく、複数の民族の方々が暮らす国でも昔から生産が行われており、雲南省と国境を接する国々では樹齢数百、数千を超える立派な茶樹が存在し、雲南省に負けず劣らずの高品質なプーアル茶を世界へ向けて輸出しています。

今では世界中の方々から愛飲されているプーアル茶ですが、同じ茶葉から作られている緑茶や烏龍茶などとは異なり、波乱万丈の歴史を歩んできたお茶でもあります。

中国が宋の時代、都では鬪茶など様々な新しい文化が誕生し、茶文化が大きく発展してゆきます。その際、プーアル茶発祥の地として知られる雲南省では、歩日部から普日という名前に変更され、交易が盛んに行われるようになりました。
そして、交易が盛んになると同時にお茶は専売制となり、プーアル茶の製造にも力が入ってゆきます。
しかし、お茶が専売制になったことで、役人への賄賂や重税が頻繁に行われるようになり、茶農家の生活を苦しめてゆきます。その結果、徐々にプーアル茶の製造が行われなくなり、衰退して行くのです。

時代は移り変わり、中国が明の時代になると、茶農家の方々に希望の光が差し込み、中国のお茶生産量が飛躍的に上昇します。そして、1578年に記された「本草網目」には、士庶所用や皆普茶也、蒸而成団といった記述があり、その中の普茶というのが、プーアル茶のことを指しているのではないかと言われています。
1619年には、呉三桂氏によって雲南省の乱を平らげ、12の版納にまとめ、1621年にはお茶を500トン生産し、うち15トンをチベットへ送ったという記載や朝廷へ献上したという記録が残っています。

その後、清の時代になるとプーアル茶の文化がさらに開花し、最盛期を迎えます。
1729年になると現在のプーアル市周辺は「プーアル府」と呼ばれるようになり、1735年には七子餅茶に関する記述が見られるようになり、茶の取引もタイやミャンマーのみならず、欧州まで広がってゆきます。
1825年には「プーアル茶記」という書物が記され、そのなかに「プーアル茶の味は濃く、都で飲むとさらに濃い」と熟茶に関する記述が残っています。

その後もプーアル茶は繁栄と衰退を幾度となく繰り返し、アヘン戦争を機にプーアル茶は受難の時を迎えます。

1947年になり、中華民国が成立されると、1950年の終わり頃から大躍進政策、1960年から文化大革命が行われ、プーアル茶に大きな変化が訪れます。
それは、中国政府による統一買付・統一販売と熟茶の誕生です。新しい制度と新たな茶葉のおかげもあり、上質で風味の良いプーアル茶は世界中の人々から愛されるようになったのですが、プーアル茶は野生の茶葉から長い時間をかけて作られるため、非効率であるといわれ、一時期生産が停止してしまうこともありました。
その際、質の良いプーアル茶たちは台湾や香港へ持ち出されたそうです。

現在では茶作りが自由化され、需要に合わせた茶作りが積極的に行われるようになり、今では銘茶と呼ばれるプーアル茶も存在します。
この頃になると、台湾や香港で愛飲されていたプーアル茶も中国本土へ持ち込まれ、徐々に中国国民の方々の間でもおいしいと評判のお茶になってゆきます。

現在中国の政策によって持ち出されたプーアル茶の多くが台湾に残っており、ビンテージ品として高値で取引されています。

プーアル茶は中国六大茶の中でも波乱万丈な歴史を歩んできた茶葉の1つです。
現在はプーアル茶も落ち着きを取り戻し、需要と供給に合った生産が行われています。
プーアル茶の歴史を知ることで、今まで何気なく飲んでいたお茶を見る目も少し変わってくるのではないでしょうか。
今後プーアル茶を飲まれる際は、プーアル茶が歩んできた歴史を感じながら味わってみてはいかがでしょうか。

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