プーアル茶育成条件による味の違い｜プーアル茶の効果効能

プーアル茶の品種を以前ご説明させて頂きましたが、今回は茶樹の育成条件による風味の違いについてご説明します。

プーアル茶に限らず、全てのお茶に言えることですが、茶樹の育成環境によって、同じ品種の茶樹でも質の良いものと悪いものがあります。
茶葉の品質は茶山(茶区)と生育状況によって変化し、品質の良いものほど自然に近い環境で栽培されていると言います。

では、どのような環境で栽培されている茶葉を選んだら良いのかをご紹介します。

原野型野生喬木

人の手が加わっていない野原でスクスクと成長した茶樹のことを「原野型野生喬木」と言います。人の手が加わっていない場所に自生しているため、プーアル茶などの茶葉に加工されることはありません。しかも、手つかずの森の中にひっそりと自生しているので、変種している可能性もあるので、触れるのは注意が必要です。

野生喬木

野生喬木は、原野型野生喬木に近い環境で自生している茶樹のことですが、ヒトの手が届かない場所でひっそりと佇んでいるわけではなく、ヒトの手が届く範囲に自生しているにも関わらず、ヒトが管理していない樹木のことを指します。
このタイプの場合、樹齢数百年、数千年という場合が多く、代々決まった茶農家によって受け継がれており、その茶農家以外の方が茶葉を摘み取ることはできません。長寿の茶樹には茶成分が豊富に含有されており、風味が良く上質な茶葉を作ることができます。
そのため、茶樹に余計なストレスを与えないように収穫は月に1度しか行いません。

野放喬木

野生喬木の種子を植えて育てた茶樹を「野放喬木」と言います。
人の手によって植えられた以外は野生喬木と変わらず、肥料や農薬を一切使用せず、自然に育つのを待ちます。樹齢は50年以上のものが多く、古い樹木ほど品質が良いとされます。
野生喬木と同様の種類であるため、風味が良いと言われていますが、原木が同じ種子から育ったとしても樹木の背丈やお茶の風味が大きく変わるので、1つとして同じものが無いのが魅力でもあります。野性喬木と違い、月に3回ほど茶摘みを行うことができます。
プーアル茶の業界では、しきたりとして度々野生喬木と野放喬木共に野生茶と呼ばれています。

荒山茶

かつて茶園として茶樹を植えていた場所が何らかの理由で放棄され、自然に近い状態となり、そこでスクスクと育っている茶樹を「荒山茶」と言います。
長年放置されていたことで、ヒトの手が加わっていた影響が無くなり、自然の状態に近くなったことから、摘み取った茶葉は高値で取引されています。灌木といえどもそれなりに背丈が高くなっており、茶摘みを行うのも一苦労となります。

茶園

茶園で栽培されている茶樹は野生種に手が加えられたものですので、背丈が低く、生育スピードの速い茶樹となります。また、収穫量も多いのも特徴です。
1950年代後半から1990年代後半にかけて茶園で摘み取られる茶葉は最も品質が良いとされ、プーアル茶も茶園で摘み取られた茶葉で作るのが一般的となっていました。ですが、現在はヒトの手が加わっていない野生種の方が、質が良いと言われるようになり、価値も上がりつつあります。

今回はプーアル茶に用いられる茶樹の育成条件による品質についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

プーアル茶の茶葉には野生種が好まれる理由は、原種に近ければ近いほど茶成分が豊富に含有されるようになり、長寿の樹木になれば栄養面だけではなく、風味も良くなるためです。

また、野生種はヒトの手が加わっていないため、無肥料・無農薬で育っているので、汚染の心配も無く、安心かつ安全な茶葉と言えます。
茶葉の産地などを今まで気にしていなかった方も多いかと思います。

今後、プーアル茶を購入した際はラベルを確認し、どんな環境で育っていたのかを思い浮かべると質の良いプーアル茶に出会うことができるかと思います。

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