プーアル茶の製造工程｜プーアル茶の効果効能

プーアル茶とは、中国の南西部にある雲南省の西双版納州・普?市・臨倉市・大理市にて古くから生産されている茶葉です。
日本では「プーアル茶」という名前で呼ばれていますが、この呼び方は北京語であり、広東語を使用する地域では「ボーレイ茶」という名前で呼ばれています。

さて、プーアル茶ですが、皆さんはプーアル茶がどのように作られているのかご存知ですか？
プーアル茶は、主に雲南大葉種という茶樹から摘み取られた葉を用いて作られているのですが、中には晒青毛茶から作られているという方もおります。

プーアル茶の製造方法は、少々複雑になっており、まず雲南大葉種から摘み取られた茶葉から晒青毛茶を作り、晒青毛茶を用いてプーアル茶を作っています。
そのため、「プーアル茶の原材料は何でしょう？」と尋ねると、原材料となる雲南大葉種の茶葉と答える方とプーアル茶になる前の晒青毛茶と答える方に分かれてしまうのです。

では、ここでちょっぴりややこしいプーアル茶の詳しい製法をご紹介します。

プーアル茶は、まず雲南大葉種の茶葉から晒青毛茶を作ることから始まります。

�@雲南大葉種から摘み取られた茶葉は、まず空気による酸化を止めるために、茶葉に熱を加えて酸化酵素の活動を停止させる「青殺」を行います。
�A青殺を行い、酸化活動を止められた茶葉は、次の工程「揉捻」に移ります。ここでは、茶葉の細胞を破壊し、お茶を淹れた際、お茶の成分を浸出しやすくするために必ず行う工程です。揉捻はお茶の風味を決定する重要な工程ですので、ここの出来次第でプーアル茶の味が大きく変わります。
�B乾燥
太陽が顔を見せている晴天の日に揉捻を終えた茶葉たちを天日干しにします。ですが、お天道様は気まぐれですので、天気が悪い日は室内で土間などを活用して乾燥させます。室内で乾燥させると囲炉裏から上がる煙の香りが茶葉へ移り、煙味と呼ばれる独特の風味が生まれます。

プーアル茶作りは、青殺工程が不完全な状態で完了するため、天日干しを行うことで不十分な青殺を補う必要があります。ですが、それでも完全に青殺されることはありません。
では、続きまして晒青毛茶からプーアル茶への製造工程をご紹介します。

プーアル茶には「生茶」と「熟茶」の2種類ありますが、どちらも晒青毛茶から作られており、それぞれ製法が異なります。

�@晒青毛茶の選別を行います。選別方法は風味やサイズなど農家によって異なります。一般的なプーアル茶工場では唐箕やふるいを用いて選別されますが、高級品になると手作業で選別が行われます。
�A選別された晒青毛茶は、茶葉のブレンドレシピを参考にプーアル茶の味に深みが出るように配合してゆきます。プーアル茶はシングルで嗜むよりもブレンドすることで別々の茶葉の個性が上手く融合し、風味に厚みと深みを持たせるのが醍醐味ですので、最高級茶葉の単一プーアル茶はちょっぴり物足りないと感じる方も多いようです。
�B選別された晒青毛茶は、次の工程へ移るために麻袋へ詰められます。ブレンドのタイミングは麻袋へ詰める前に行うのが一般的となっています。
特に餅茶の場合は袋詰めの際に行われるブレンドによって見た目が変わってきますのでとても大切な工程となっています。
�C円筒状の袋に詰められた晒青毛茶は、まだ固いので、圧を加えると折れてしまいます。それを防ぐために、１度茶葉を蒸してゆきます。蒸し時間は１分と非常に短いのが特徴です。
�D円筒状の袋に詰められた状態で１分ほど蒸された茶葉を、遂にプーアル茶へ仕上げてゆきます。袋の口を捻り、圧を加えて絞ってゆきます。そして、絞って余った布をお団子状にまとめてゆき、袋を下にして置き、重しを乗せて美しい円盤型になるよう、かたちを整えてゆきます。
�Hかたちを整えたら、専用の乾燥台へ乗せて、しっかり乾燥させれば完成です。

熟茶の場合、生茶には無い「渥堆」という黒茶独特の発酵工程があることが特徴です。

�@完成した晒青毛茶に渥堆という作業を行います。
渥堆とは、黒茶独特の発行工程であり、なんと微生物を用いて醗酵を行ってゆきます。
渥堆の方法は、晒青毛茶を2cmほどの高さに盛り、25％から30％の水分を与えます。こうすることで自然と発酵が始まり、茶葉の成分に大きな変化が生じます。
茶葉に含まれるカテキン類は重合カテキンや没食子酸などに成り、独特の味わいが生まれます。さらに、茶葉に含まれる糖分は微生物たちのエサとなるため、減少してしまいますが、その代わりにアミノ酸が分解されたことで生まれる高分子多糖類が誕生し、プーアル茶独特の甘みとなります。
�A渥堆は平均30日から45日ほどかけて行われます。その間、茶葉は湿った状態となりますので、しっかり乾燥させて生茶と同じ工程を行います。

今回はプーアル茶の大まかな製造工程についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか？
普段何気なく飲んでいるプーアル茶ですが、緑茶や烏龍茶、紅茶とは異なり、とっても手間暇かけて作られていることがお分かり頂けたかと思います。
製造工程を知ることは、お茶の安全・安心を知ることができる機会でもありますので、是非興味を持って頂けたらと思います。

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