ミントの育て方とミントテロ
ミントティーに使用するミントの育て方
デセールやドリンクなどの名脇役であるミントの葉には、リラックス効果や健胃及び駆風作用、殺菌効果に花粉症などのアレルギー諸症状の緩和などに絶大な効果を発揮する万能薬です。
そんなミントの葉をメインに使用したミントティーは優れた健康と美容効果及び効能を持つハーブティーとして女性だけではなく、男性からも高い支持を得ています。
ところで、ミントといえば、可愛らしくオシャレなキッチンハーブとして栽培したり、他のハーブや野菜と共に家庭菜園で生育し、自家製のデセールやドリンク、ミントティーを作る方も少なくありません。
しかし、そんなミントですが、育て方を誤ると「ミントテロ」と呼ばれる恐ろしい光景が広がってしまい、たいへんなことになってしまいます。
そこで、今回はミントの正しい育て方と注意点をご紹介します。
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ミントの正しい育て方
〜ペパーミント編〜
一般的なミントティーやデセール、ドリンクなどに使用されるミントの種類は「ペパーミント」「スペアミント」「アップルミント」の3種類かと思います。
これら3種類のミントは初心者の方でも安心して栽培できる品種となっておりますが、クールミントやオレンジミント、パイナップルミントなどハーブティーとして使用したい品種のミントがございましたら、そちらをご用意しましょう。
では、まずペパーミントから順に育て方をご紹介します。
ペパーミントはシソ科のハッカ属に属する植物です。学名は「Mentha x piperita」と言います。水を好み、屋外で半日陰の場所で栽培するとスクスクと成長します。
7月から9月にかけて花が咲き、植える際は年に2度あり、4月から5月と9月から10月となっています。肥料を与える際は4月から5月に与えると良いでしょう。
ペパーミントは水を好むため乾燥に弱い特性を有しておりますが、1度植えてしまうと地下茎と種子がどんどん広まり、生息範囲が拡大されます。
とても頑丈で壮健なため、雑草をも駆逐するほどです。しかし、近くに植えていた植物までも駆逐してしまうため、少々厄介な面も有しています。
ペパーミントは地下茎がとても柔らかく、スコップなどで土を掘っただけでプチンと切断してしまいます。しかし、この切れた地下茎を含む土を別の場所に移して植物を育てようとすると、切断された地下茎からペパーミントがスクスクと成長してしまいます。
そのため、放って置くと生息範囲が拡大し、大切な植物までも台無しにしてしまうため、通称「ミントテロ」と呼ばれています。
ミントテロとは、繁殖力の高いミントを庭先に植えたことで、どれだけ引っこ抜いて駆逐しようとも、そこに残ったミントの一部から新しいミントがスクスクと成長し、しまいにはミント独特のスーッとする爽快感のある良い香りまでしなくなり、雑草化するという現象です。
ミントテロ防ぐには、出来る限りミント自体を庭に植えず、鉢植えで育てるようにすることです。
もし、庭に植えてしまった方は、土壌からまるごと取り換えるか、他の植物と共に除草剤を撒いて駆逐する以外方法はございません。
ミントによってご近所トラブルになる可能性があるので、戸建てに住んでいらっしゃる方はご注意ください。
ペパーミントの育て方ですが、とても乾燥に弱いので土壌が湿っぽい状態を維持できるように、こまめに水を与えるようにしましょう。
肥料は春に固形肥料をほんの少し与えるようにしましょう。与え過ぎてしまうとミントの香りが失われてしまう可能性があります。
ペパーミントに適した土壌は特にありません。また、ミントは根を張る速度が他の植物に比べ早いので、鉢植えで栽培している方は毎年春には植え替えをするように心掛けましょう。
ペパーミントは直射日光を嫌います。ですので、必ず半日陰で栽培するようにしましょう。
ミントの正しい育て方〜スペアミント編〜
聖書に登場するミントは「スペアミント」のことを表しています。日本では「緑薄荷」という名で親しまれており、ガムや飴、歯磨き粉などに使用されています。
シソ科のハッカ属に属しており、学名を「Menthe spicata」と言います。ペパーミントとは違い、水は控えめに与え、屋外の日向で栽培するとよく育ちます。7月から9月にかけて花が咲き、植え時は2月から5月までの間と8月から9月までの間の年2回訪れます。
肥料を与える際は3月から5月の間もしくは8月から9月までの間に与えるようにしましょう。
では、スペアミントの育て方をご紹介します。
スペアミントは霜が降りはじめる秋の終わり頃になると地上に現れている部分が枯れます。そして、寒さの厳しい冬の時期は地中で過ごし、春になると新芽が現れます。
スペアミントも繁殖力が高く、庭先で栽培してしまうとペパーミントと同様の光景が広がります。そのため、必ず鉢植えもしくはプランターで育てるようにしましょう。
鉢植えやプランターでスペアミントを生育させた場合、1年で根がパンパンになってしまうので、春には必ず植え替えるようにし、その際株分けも同時に行うようにしましょう。
鉢植えやプランターでスペアミントを育てている方は土が乾燥してきたなと感じたら水を与えます。スペアミントはペパーミントとは違い、乾燥した状態を好みます。必要以上に水を与えてしまうと枯れてしまうのでご注意ください。また、庭先でスペアミントを栽培している方は日照りが連日続いている場合のみ水を与え、普段は降雨に頼るようにすると良いでしょう。
スペアミントはペパーミントと違い、液体肥料を与えるとスクスク成長します。ですが、スペアミントは肥料を与えずとも元気に成長しますので、無理に与える必要はありません。むしろ、肥料を与えたことでスペアミントの香気が失われる危険性があります。
スペアミントは出来る限り水はけの良い土壌で育てるようにしましょう。ハーブ専用の土が販売されているので、そちらを活用するかもしくは赤玉土と腐葉土、砂を6:3:1の割合でブレンドした土を使用して栽培しましょう。
日当たり良好な場所を好みますが、半日陰でも成長しますのでご安心ください。
ミントの正しい育て方〜アップルミント編〜
アップルミントは花や葉から青リンゴのような瑞々しくフレッシュな香りが漂うミントです。ミントティーだけではなく、肉や魚料理、ビネガーソース、サラダなど様々なシーンで活躍することが出来るミントですので、女性の方々からたいへん人気の高いミントの品種となっています。
では、アップルミントの育て方をご紹介します。
シソ科のハッカ属に属しており、学名は「Menthe suaveolens」と言います。アップルミントはスペアミント同様、水は控えめに与え、屋外の日当たり良好な場所を好みます。5月から9月に花を咲かせ、植え時は3月から6月の間と9月から10月の間で行うと良いでしょう。肥料は4月から6月の間と9月から10月の間に与えると喜びます。
アップルミントはペパーミントやスペアミントと比較できない程、生命力にあふれた植物です。とにかく繁殖力が高く、地下茎や種子で自身の生息範囲を拡大してゆきます。
土壌を選ばず、寒さにも強いので、地面が凍らない限りは屋外でも越冬可能な品種です。
スペアミント同様、寒さの厳しい冬場は地中で過ごし、春になると新芽がニョキっと出てきます。
他のミント同様、雑草をはじめ、様々な植物を駆逐する能力があるため、庭先に植える際は地下茎が広がらないようにプラスチック版やブロックなどを地中に埋め込み、広がらないように対策を高じる必要があります。
アップルミントは他のミント同様、種子で次世代のアップルミントが育った場合、香りが減少しますので、雑草化します。しかし、地下茎で増殖した場合はアップルミントの清々しい香りを持っていますので、種子で育ったのか地下茎が伸びてきて育ったのかの区別はつきやすいかと思います。
鉢植えやプランターでアップルミントを栽培している方は、土が乾いてきたなと感じたら水を与えます。アップルミントは湿度の高いジメッとした環境を好みます。しかし、水を与え過ぎると腐ってしまうため、少々癖がある品種でもあります。土の状態を確認しならが水やりを行うようにしましょう。
アップルミントは肥料が不要な品種ですので、無理に与える必要はありません。むしろ肥料を与えたことによって折角のフレッシュな香りが失われる危険性があります。
アップルミントは、日光が大好きです。日光に当たらない環境で育ってしまうと、香りや花が減少し、品質の悪いミントとなりますので、日当たりの良い場所で育てるようにしましょう。
アップルミントはペパーミントやスペアミントに比べ、雑草化しやすく、ミントテロを引き起こしやすい品種ですので、庭先に植える方はご注意ください。
ミントの正しい育て方〜注意点〜
それぞれのミントの正しい育て方をご紹介しましたが、最後に必ず守って欲しい注意点がございます。
ペパーミント、スペアミント、そしてアップルミントをはじめ、全てのミントは交雑しやすいため、別の品種のミントを近くで生育させないようにしましょう。
特にアップルミントは交雑しやすいため、同じプランターでペパーミントやスペアミントを栽培しないように注意する必要があります。
交雑したミントは、ミント特有の香りが弱まり、雑草化します。香りの弱いミントはミントではありませんので、必ず守るようにしましょう。
また、ミントには様々な害虫が寄ってきます。そのため、農薬を撒きたくなる方もいらっしゃるかと思いますが、農薬を使用してしまうとそのミントをハーブティーや料理の材料として使用することが出来なくなります。
ミントに寄ってくる害虫はヨトウムシやナメクジ、アブラムシやハダニなどになります。稀に土壌がジメジメしているとコバエがやってきます。
アブラムシは光に弱い性質を持っているので、忌避資材を使用したり、鉢植えされたミントにスッポリとビニール袋をかぶせ、口部分を鉢で押さえて1晩待ちます。すると、被せたビニール袋の底部分にウジャウジャとアブラムシが集まっているので、鉢で押さえていたビニール袋の口を取り外して駆除しましょう。また、天気の良い日に牛乳を霧吹きでミントに噴射すると牛乳のパワーによってアブラムシが死滅します。他にも様々な方法がございますので、色々試してみると良いでしょう。
ヨトウムシはヨトウムシを捕まえてヨトウムシの体液よりも濃いお酢に漬け込みます。すると亡くなりますので、その死骸を置いておきます。使用したお酢は汚くなったら薄めてヨトウムシが現れる場所に撒きます。生存中のヨトウムシは死骸となったヨトウムシから放出される毒素を嫌います。ヨトウムシを見つけたらこの方法で駆除しましょう。
ナメクジは不要となった皿にビールを注ぎ、鉢植えの近くに置いておきます。すると翌日、大量のナメクジが死滅しているので、簡単に駆除することが出来ます。
今回はミントの育て方についてご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
今回はミントティーで使用される定番ミント3種についての栽培方法をご紹介しましたが、同じミントでも育つ環境が異なるため、もしクールミントやオレンジミントなどの品種を生育させたいと思っている方は、必ず図鑑やインターネットで育て方を確認してから苗や種子を購入しましょう。
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